
店舗やオフィス、商業施設などの屋外に設置する壁面看板は、建物や店舗の印象を伝える重要なサインです。
一方で、屋外の壁面看板は一年を通して紫外線や雨、風、温度変化などの影響を受け続けます。設置した直後はきれいでも、時間の経過とともに色あせや表面の劣化、シートの浮き・剥がれなどが発生することがあります。
そこで、壁面看板を長くきれいに使用するために重要になるのが「耐候性」です。
耐候性とは、屋外環境にさらされた際に、素材や印刷面などがどの程度劣化しにくいかを示す性能のことです。
ただし、看板の耐候性は素材だけで決まるものではありません。
基材・インク・ラミネート・設置環境・施工方法などを総合的に考える必要があります。
本記事では、壁面看板の耐候性について、劣化の原因から屋外向け素材の選び方、ラミネート加工、施工時の注意点まで詳しく解説します。
壁面看板の「耐候性」とは?
壁面看板における耐候性とは、看板が屋外環境にさらされた際に、色あせ・変色・ひび割れ・剥離・腐食などの劣化をどの程度抑えられるかという考え方です。
屋外に設置される看板は、次のような自然環境の影響を受けます。
- 紫外線
- 雨
- 風
- 湿気
- 温度変化
- ほこりや汚れ
- 沿岸部の塩分
- 排気ガスなどの大気環境
そのため、屋外用の壁面看板を製作する場合は、単純に「丈夫な素材」を選ぶだけでは十分ではありません。
設置場所の環境に合わせて、基材・印刷・表面保護・施工方法を組み合わせることが重要です。
屋外の壁面看板が劣化する主な原因
壁面看板の耐候性を考えるためには、まず何が看板を劣化させるのかを理解しておきましょう。
1.紫外線による色あせ
屋外看板の劣化で特に注意したいのが紫外線です。
紫外線を長期間受け続けることで、印刷インクや表面素材が劣化し、色あせや変色が目立つようになる場合があります。
特に店舗名やロゴなど、色によってブランドイメージを表現している看板では、退色によって本来のデザインイメージが変わってしまう可能性があります。
そのため、屋外で長期間使用する看板では、耐候性を考慮したインクや表面保護材を選択することが重要です。
2.雨や湿気による劣化
屋外看板は雨や湿気にもさらされます。
施工状態や素材の組み合わせによっては、水分が端部や継ぎ目などから入り込み、シートの浮きや剥がれ、基材の劣化などにつながる可能性があります。
特に既存壁面にシートを施工する場合は、壁面自体の状態も重要です。
施工面に水分が残っていたり、塗装が劣化していたりすると、シートの密着性に影響する場合があります。
3.温度変化による伸縮
屋外では、夏場の高温や冬場の低温など、大きな温度変化が発生します。
素材によっては温度変化に伴って伸縮するため、長期間にわたって繰り返し負荷がかかることで、シートの収縮や端部の浮きなどにつながる場合があります。
そのため、看板素材を選ぶ際には、設置場所の気候や日照条件なども考慮することが大切です。
4.沿岸部では塩害にも注意
海に近い地域では、一般的な屋外環境とは異なる注意が必要です。
海風に含まれる塩分は、金属部分の腐食を促進する要因になります。
そのため、沿岸部に壁面看板を設置する場合は、看板本体だけでなく、金具や固定部分なども含めて環境に適した仕様を検討することが重要です。
壁面看板の耐候性を左右する4つのポイント
壁面看板を長期間使用するためには、次の4つを総合的に考える必要があります。
1.基材
看板本体の土台となる素材です。
2.印刷インク
印刷面の色やデザインを構成する重要な要素です。
3.ラミネート・表面保護
印刷面を保護し、紫外線や汚れなどによる劣化を抑えるために使用します。
4.施工方法
素材の性能を十分に発揮させるためには、下地処理や固定方法など、施工品質も重要です。
つまり、「高耐候素材を使えば長持ちする」という単純な話ではありません。
それぞれの要素を設置環境に合わせて組み合わせることが、耐候性の高い壁面看板につながります。
屋外の壁面看板に使われる代表的な素材
では、屋外の壁面看板にはどのような素材が使われるのでしょうか。
アルミ複合板
アルミ複合板は、屋外看板の基材として広く利用されている素材の一つです。
比較的軽量で加工しやすく、平滑な表面を確保しやすいため、印刷面をきれいに仕上げたい場合にも適しています。
また、金属製の看板でありながら、一般的な鋼板とは異なる構造を持つため、屋外看板の基材として使いやすい素材です。
ただし、実際の耐久性は使用環境や製品仕様、施工方法などによって異なります。
塩ビシート
塩ビシートは、壁面に直接施工したり、アルミ複合板などの基材に貼り付けたりして使用できます。
写真やイラスト、ロゴなどを印刷できるため、デザイン性の高い壁面看板を製作したい場合に適しています。
特に、壁面そのものを大きな広告スペースとして活用したい場合には有力な選択肢です。
ただし、屋外で使用する場合は、シートの種類やインク、ラミネートなどを設置環境に合わせて選ぶことが重要です。
アクリルなどの樹脂素材
アクリルなどの樹脂素材は、立体感や透明感を活かした看板などに利用されます。
ただし、用途や設置環境によって適した素材が異なるため、単純に「屋外ならこの素材」と決めるのではなく、看板のデザインやサイズ、設置条件を考慮する必要があります。
ラミネート加工はなぜ重要?
印刷した壁面看板を屋外で使用する場合、表面を保護する方法としてラミネート加工が利用されます。
ラミネートには、印刷面を物理的な傷や汚れなどから保護する役割があるほか、製品によっては紫外線による劣化を抑える機能を持つものもあります。
そのため、屋外用の壁面看板では、印刷面だけでなくラミネートまで含めて仕様を検討することが重要です。
標準的なラミネート
一般的な屋外看板に使用されることがあるラミネートです。設置環境や使用期間などを考慮し、適した製品を選択します。
UVカットタイプ
紫外線による印刷面の劣化を抑えることを目的としたラミネートです。
日当たりの強い場所などでは、通常の仕様と比較して、UV対策を考慮したラミネートを検討する場合があります。
高耐候タイプ
より長期間の使用を想定する場合や、紫外線などの影響が大きい場所では、高耐候タイプのラミネートを検討することもあります。
ただし、製品によって性能や推奨用途が異なるため、具体的な耐候年数については、使用する製品の仕様を確認することが大切です。
「高耐候仕様なら安心」とは限らない?設置環境も重要
耐候性を考える際に注意したいのが、素材の性能だけで判断しないことです。
例えば同じ看板素材でも、
- 南向きで日射が強い
- 建物の影になっている
- 海に近い
- 雨風が強い
- 高温になりやすい
- 排気ガスや粉じんが多い
など、設置環境によって受ける負荷は変わります。
また、同じ地域であっても建物の向きや周囲の環境によって条件は異なります。
そのため、看板業者に相談する際は、単に「一番耐久性の高い素材を使ってください」と依頼するのではなく、設置場所の環境を確認したうえで仕様を提案してもらうことが重要です。
壁面看板の耐候性を高めるための素材選び
屋外で長く使用できる壁面看板を作るためには、次のような順番で仕様を検討すると分かりやすくなります。
STEP1.設置場所を確認する
まずは、看板を設置する場所の環境を確認します。
- 屋外か屋内か
- 日当たりは強いか
- 雨が直接当たるか
- 海に近いか
- 高所か
- 壁面はどのような材質か
などを確認します。
STEP2.看板の目的を決める
店舗名や会社名を長期間表示する看板なのか、期間限定のキャンペーン看板なのかによって、求められる仕様は変わります。
長期使用を前提とする場合は耐候性を重視し、短期使用なら必要以上に高耐候仕様にしないなど、用途に応じて検討できます。
STEP3.基材を選ぶ
アルミ複合板や塩ビシートなど、設置方法やデザインに適した素材を選択します。
STEP4.印刷・表面保護を選ぶ
屋外環境に合わせて、インクやラミネートなどの仕様を検討します。
STEP5.施工方法を確認する
最後に、壁面の状態に合わせた固定方法や下地処理を確認します。
このように、素材・印刷・表面保護・施工を一体で考えることが重要です。
壁面看板の耐候性を考えるときに「価格だけ」で比較しない
壁面看板の見積もりを比較するとき、金額だけを見てしまうと仕様の違いを見落とす可能性があります。
例えば同じサイズの看板でも、
- 基材の種類
- シートの種類
- 印刷方式
- インク
- ラミネート
- 下地処理
- 施工方法
- 高所作業
- 既存看板の撤去
などによって価格は変わります。
そのため、「A社のほうが安い」という比較だけではなく、同じ条件・同じ仕様で比較できているかを確認することが大切です。
特に長期間使用する壁面看板では、初期費用だけでなく、貼り替えや修繕などの将来的なメンテナンスも含めて考えると、適切な仕様を選びやすくなります。
壁面看板の耐候性を高めるには施工品質も重要
どれだけ高性能な素材を選んでも、施工面の状態が悪かったり、施工方法が適切でなかったりすると、本来の性能を発揮できない可能性があります。
特に塩ビシートを壁面へ施工する場合は、
- 壁面の汚れ
- 油分
- 水分
- 塗装の劣化
- 凹凸
- 既存シートの状態
などを事前に確認する必要があります。
また、アルミ複合板などを取り付ける場合も、看板サイズや設置場所に応じて適切な固定方法を検討することが重要です。
「どの素材を使うか」だけでなく「どのように施工するか」まで確認することが、長期間使用できる壁面看板づくりのポイントです。
耐候性の高い壁面看板を製作する業者の選び方
壁面看板を長く使用したい場合は、価格だけで業者を選ぶのではなく、次のポイントを確認しましょう。
1.現地調査に対応している
設置場所の環境を確認し、必要に応じて現地調査を行ってくれる業者なら、素材や施工方法を検討しやすくなります。
2.素材の違いを説明してくれる
「屋外用だから大丈夫」と一括りにするのではなく、基材やシート、ラミネートなどについて具体的に説明してくれるか確認しましょう。
3.使用環境に合わせた提案がある
日射、雨風、沿岸部など、設置環境を考慮した提案があるかどうかも重要です。
4.見積もりの内訳が明確
材料費だけでなく、印刷・加工・施工・撤去などの費用が分かる見積もりを確認しましょう。
5.製作から施工まで相談できる
製作と施工をまとめて相談できれば、素材選定から現場施工までの仕様を確認しやすくなります。
看板印刷.comなら設置環境に合わせた壁面看板をご提案
壁面看板の耐候性は、単に「丈夫な素材」を使うだけで決まるものではありません。
設置環境に適した基材・印刷・ラミネート・施工方法を組み合わせることが重要です。
看板印刷.comでは、壁面看板の新設から既存看板のリニューアルまで、設置場所や用途に合わせた仕様をご相談いただけます。
「屋外なので耐候性を重視したい」
「海沿いなので塩害が心配」
「日当たりの強い壁面に看板を設置したい」
「塩ビシートとアルミ複合板のどちらが適しているか分からない」
といった場合も、まずはお気軽にご相談ください。
設置環境や看板の用途を確認し、必要な耐候性能とコストのバランスを考慮した仕様をご提案します。
壁面看板の耐候性に関するよくある質問
Q.壁面看板の耐候性とは何ですか?
屋外の紫外線、雨、風、温度変化などの環境にさらされた際に、色あせや変色、ひび割れ、剥離、腐食などの劣化をどの程度抑えられるかという性能・性質を指します。
Q.屋外の壁面看板にはどの素材がおすすめですか?
設置環境や看板の用途によって適した素材は異なります。
アルミ複合板や塩ビシートなどが選択肢になりますが、日射、雨風、壁面の材質、使用期間などを考慮して選ぶことが重要です。
Q.塩ビシートは屋外でも長期間使用できますか?
屋外用として適した製品を選び、設置環境に合わせた印刷・ラミネート・施工を行うことで、屋外看板に使用できます。
ただし、耐候性や使用可能期間は製品や環境によって異なるため、具体的な仕様については使用する製品の情報を確認する必要があります。
Q.海沿いの店舗ではどんな看板にすればよいですか?
沿岸部では、紫外線だけでなく塩害による金属部分の腐食なども考慮する必要があります。
看板本体だけでなく、固定金具なども含めて設置環境に適した仕様を検討することが重要です。
Q.看板を長持ちさせるには何が重要ですか?
素材だけでなく、印刷・ラミネート・下地処理・施工方法まで総合的に考えることが重要です。
特に屋外では、設置場所の日射や雨風などを考慮して仕様を選ぶことをおすすめします。
まとめ|壁面看板の耐候性は「素材・加工・施工」の組み合わせが重要
屋外の壁面看板は、紫外線や雨風、温度変化などの影響を受けるため、長期間使用するなら耐候性を考慮した仕様選びが重要です。
耐候性を高めるためには、
- 設置環境を確認する
- 屋外環境に適した基材を選ぶ
- 耐候性を考慮したインクを使用する
- 必要に応じてラミネート加工を施す
- 壁面の状態に合わせて施工する
といったポイントを総合的に検討しましょう。
また、耐候性は「高ければ高いほど良い」という単純なものではありません。
短期間の広告であれば必要以上の高耐候仕様が不要な場合もあります。一方、店舗名や企業名を長期間掲示する壁面看板では、初期費用だけでなく、将来的な貼り替えや修繕まで考慮して素材や加工を選ぶことが大切です。
設置場所の環境と使用目的に合った仕様を選ぶことが、長くきれいに使える壁面看板につながります。
壁面看板の新設やリニューアルを検討している場合は、素材だけで判断せず、現地の環境を確認したうえで専門業者に相談してみましょう。






